更年期障害の治療

更年期障害の治療 更年期障害とは

毎月女性は卵巣が規則的に変化することで女性ホルモンが正常に周期的に分泌されます。

これが更年期にさしかかると女性ホルモンの分泌が閉経とともに正常に分泌されなくなります。そもそも女性ホルモン、とくにエストロゲン(卵胞ホルモン)は女性としての機能や美しさを保つもので、更年期になるとこの重要なエストロゲンが卵巣の機能が衰えることでなくなっていくために女性にとってとても大きい影響を及ぼしてしまいます。

エストロゲン(卵胞ホルモン)のおもなはたらきとしては

・子宮に働きかけて受精卵が着床できる状態をつくる

・乳房や性器の成熟を促す

・丸みを帯びた女性らしい体をつくりだす

・心を安定させる

・コレステロールの増加を抑制する

・カルシウムの形成、吸収を調節し、骨を健康に保つ

などの女性にとって重要なはたらきをします。

このエストロゲンの分泌量が更年期とともに減ってくると、これを感知した脳は盛んに卵胞刺激ホルモンを分泌し、卵巣からエストロゲンを分泌するように促します。

しかし、卵巣にはその脳からの要求に応える力が残っていないため、エストロゲンの減少と卵胞刺激ホルモンの増加という「ホルモン分泌のバランスの乱れ」が起こってしまいます。「ホルモン分泌のバランスの乱れ」によって顔や体が急にほてったり、急に大量の汗をかいたり、イライラしたり不安になったりといった症状が出ます。これを更年期障害といいます。更年期障害はこういったからだの中からあらわれるものと、この年齢の女性に起こる外的な要因、職場の人間関係や育児・教育、親の介護などのストレスが加わって引き起こされます。

更年期障害の治療 更年期障害の時期

卵巣の機能が衰え始め、女性ホルモンの分泌が急激に少なくなる、閉経をはさんだ前後10年くらいが更年期障害の時期になります。具体的にいえばだいたい45歳から55歳くらいまでの期間に更年期障害の症状が出るといわれています。

更年期障害の治療 更年期症状と自律神経失調症

ちなみに更年期症状と自律神経失調症は部分的には関係しているといっていいでしょう。自律神経というのは脈拍や血圧、発汗などによる体温調節、腸の動きまで身体の安定を保つために調整している重要な役割をしています。自律神経というのは脳の下にある視床下部(ししょうかぶ)と呼ばれる器官によってコントロールされ、自分の意識とは無関係にはたらいています。

更年期障害の治療

まずはおかしいな?と思ったら専門医に診てもらいましょう。もしかしたら大きな病気の前触れかもしれませんので婦人科や女性外来、更年期外来などの専門治療をしてもらえる医療機関に診てもらいましょう。

更年期障害はただ医師の指示のとおりに薬を飲んでいるけでは根本的な治療にはなりません。まずは更年期障害をきちんと理解して前向きに自分の意識も変えてケアしていくようにします。

更年期障害は自覚症状が一定の症状ではなく次々と違った不調として現れることも特徴です。不規則な生活や過労、睡眠不足、食事のバランスが悪いなどの生活習慣の乱れもホルモンバランスや自律神経の乱れに悪い影響を与えて、更年期障害の症状を悪くしてしまいます。日常の生活をきちんと規則正しく、食生活もバランスよく採るようにすることをこころがけてください。

エストロゲンの減少によるホルモンバランスの乱れをエストロゲンを補うことで女性ホルモンを活性化し、バランスを整えれば更年期障害の不快な症状も軽減できます。

ストレスから起こる自律神経の乱れは ホルモンバランスを司る脳に密接に関係しているためストレスを溜め込んでしまうと更年期障害の症状を悪化させてしまいます。あまり悩んだり気にしたりしないようにしてストレスをなるべく溜めないようにすることが更年期障害の症状を軽減させることになります。

きちんと更年期障害を理解して更年期障害と積極的に向き合っていくことで症状も緩和することができます。