多汗症とは？多汗症の原因
人は体温調整や緊張時に汗をかきますが、汗の分泌量が異常に多い症状が多汗症です。通常の発汗と多汗症の境は明確に決まってはいませんが、体温や運動などの身体機能とは全く関係なく発汗する状態で区別することが多いようです。他の病気の影響で多汗症になる場合と、精神的な理由で発汗量が増えて多汗症になる場合とに分けられます。
また、体内の代謝機能や自律神経機能の健康が損なわれている場合、全身の発汗症状という形で多汗症に似た状態になることがあります。発汗量が増える原因には、薬の副作用の影響も挙げられるでしょう。汗をかくだけでなく身体機能にも何らかの問題を感じているならば、一度は病院で相談してみましょう。
身体疾患と多汗症を同時に抱え込み、どちらも治さなければならなくなっては大変です。ストレスによる多汗症の場合は、体質や生活環境によるものと考えられます。ストレスが原因の多汗症は、手足等に部分的に発汗することが多いのが特徴です。また、多汗症を気にする余り、更なるストレスを作り出し、悪循環に陥ってしまう可能性があるようです。多汗症の心当たりがある方は専門家に心の治療を診てもらうのも大切です。治療というと大げさに思えるかもしれませんが、多汗症改善のアドバイスをもらうつもりで気軽に相談すれば良いのです。汗をかくことを無闇に恥ずかしがらず、自分の状態をきちんと見据えることが多汗症治療の始まりです。
多汗症治療をする前にまず予防から
交感神経のコントロールが多汗症予防に役立ちます。多汗症の治療について考えるためにも、どうすれば予防になるかについても知識を得る必要があります。身体に何らかのストレスを与え続けると、多汗症の症状が出やすくなるといいます。肥満率が高い人などはその代表例でしょう。
ストレスはメンタル面が原因になることもあります。急な環境の変化や過労、変則的な生活を続けているとなり多汗症の症状が出やすくなります。これは元々神経質な方なら尚更です。交感神経や副交感神経は、ストレスに直面すると無意識の内にバランスを取ろうとします。くずれそうな神経のバランスを取り戻そうとする機能の中に、汗の分泌を促す機能がある為、多汗症になるのです。ですから、汗をたくさんかきすぎないためにも、ストレス解消を心がけることが大事です。
多汗症の予防には、食生活の改善も重要です。たとえば、油脂を多く含む食べ物を食べ過ぎると、鼻につくにおいのする汗が出ます。汗の出る量を少なくしたいと水を飲まない人もいますが、体内の水が不足すると血流が滞り、汗がにおう理由にもなります。水を飲みたいと感じる前に水分摂取を行う状態が、多汗症の防止にはちょうどいいでしょう。しかし、多汗症を抑えたい一心で水ばかり大量に摂取したり、油物を徹底的に遠ざけていてはかえって健康を損ねる危険もありまのすので、なにごとも程度をわきまえてください。
ところで、多汗症の不快感を軽くする為に、日頃から清潔面にも配慮することをおすすめします。ストレスフリーにも繋がる為、結果として多汗症治療にもなります。多汗症の予防や治療を達成するためには、まずは日常で気持ちを楽にしてストレスを解消するところから始めてください。
多汗症の治療について
多汗症の方は必ず病院で治療を受けなければならないということはありません。たとえば、日々の生活に特に問題がないなら、多汗 症でもそのままにしておくことも立派な多汗症対策法です。どうして汗をたくさんかくのかわかっていないなら、医師の判断を仰ぐ ことをおすすめします。何かの病気になったために汗をかくようになったなら治さなければなりませんし、素人判断で多汗症だと決 めつけて、いたずらに落ち込んでしまうだけではいいことはありません。
多汗症体質と汗かき体質の境は定かではなく、医者の診療によって病名がつけられます。状況をはっきりさせることは悪いことでは ありませんので、快適な生活を送るためにも専門医に診察をしてもらいましょう。いざ多汗症を治療する場合は、症状によって手術 、精神治療、内科治療の3パターンに分けられます。多汗症の原因となっている交感神経を切る手術であり、この方法で多汗症の治療が可能です。 多汗症の手術は、手足の多汗症完治に絶大な効果を発揮しますが、他の部分の発汗量を増加してしまうという問題点があります。も うひとつの手術方法は、超音波手術によって脇の汗腺を破壊する方法で、ワキガ（わきが）対策にも有用です。後遺症や手術痕の心配がないのがこの方法のいいところです。多汗症の手術はそれほど大きくないですが、やはり手術をするという点には代わりありませんので、よく前もって調べてから手術を受けるようにするべきです。
